防水工事

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シーリング工事

防水工事において、必要不可欠な工事としてシーリング工事があります。 シーリング工事とは、外壁同士の隙間や外壁とサッシの隙間、また、サッシと窓ガラスの隙間など、住宅に存在するありとあらゆる隙間を埋める工事の事をいいます。

まず、左の写真をご覧ください。上部の白っぽいタイルと、中心の茶色いタイルの間の隙間が、他の隙間に比べて大きいのがおわかり頂けるでしょうか。これが外壁同士の隙間であり、目地(めじ)と呼ばれるものです。正確には、タイル同士の狭い隙間も同様に目地と呼ぶのですが、これはタイル外壁だから存在する目地、つまりデザインによるものが大きく、建物の骨組みとして存在する目地ではないため、ここでいう目地は、タイルの打ち継ぎ目地、つまり構造上必要な隙間についての説明となります。

この目地の役割としては、主に「部材同士がぶつかり合うのを防ぐため」というものがあります。それはどういうことかというと、コンクリートをはじめとする建物の構成部材は、気温や湿度によってわずかに膨張したり収縮したりするものなのです。電車が走っているときの擬音である「ガタン、ゴトン」をご想像いただければわかりやすいと思いますが、あの音はレール同士の継ぎ目にある隙間を車輪が乗り越えた時に発生する音です。冬はレールが縮むため、レール同士の隙間は大きくなって音は増加し、逆に夏はレールが膨張し、レール同士の隙間は狭くなって音は減少します。では、冬のレールが縮んだ状態で、あの音が発生しないようにレールを組むとどうなるのでしょうか。夏にレールが膨張し、逃げ場がなくなってレールが曲がってしまうのです。それと同じことが建物で発生すると、圧迫された部材同士がぶつかり合い、ひび割れや部材の欠けが発生してしまいます。それを避けるために、わざと作っている「逃げ」がこの目地なのです。また、同じ理由でこの目地は台風や地震時にも効果を発揮します。風圧によるしなりや地震による振動によって発生する負荷を、一点に集中させずに分散させ、適度な「ゆとり」を生み出すために、この目地は存在するのです。

さて、目地とは隙間です。隙間は雨風を通します。防水性を考えれば、隙間は無いに越したことはありません。しかし、上記の理由のとおり、隙間は絶対に必要です。そこで、目地としての役割を保ったまま、水密性・気密性を確保するために必要とされる工事がシーリング工事なのです。 目地を埋めるための充填剤、すなわちシーリング材は、大きく分けて二種類あります。

一つ目は、あらかじめ埋める形状が定まっており、それに適合するようにつくられた定形シーリング材(ガスケットともいう)であり、主にサッシと窓ガラスの隙間など、大量生産が行われている工業製品に使用されています。
二つ目は、埋める形状が定まっていない場所に使用するもので、使用前は歯磨剤のようなペースト状をしていますが、隙間に充填し終えるとゴムのような硬さに変化するもので、これは非定形シーリング材と呼ばれています。

一般的にシーリング材といえばこちらの非定形シーリング材のものを指します。用途としては、サッシと壁、壁同士など、それこそ定形以外の場所すべてともいえるほどよく使用されています。

また、非定形シーリング材にも、空中に存在する水分や酸素に反応して単体で硬化が始まる1成分形と、別途用意した硬化剤と撹拌することで硬化が始まる2成分形に分類でき、さらにそれらも変成シリコーン系やポリサルファイド系など、成分によって約15種類程度に分類できます。上のは写真は2成分形のシーリング材を撹拌しているものです。

それでは、実際の工事を工程ごとに見ていきましょう。

実際の工事写真を例に、シーリング工事についてご説明いたします。まず、左の写真についてですが、とあるマンションの屋根に設置されてあるトップライト(採光窓)の付け根部分の写真です。防水の為に施工されたシーリング材が、経年劣化によって硬化し、ひどくひび割れているのがおわかり頂けるか思います。
こうなってしまうと、シーリング材は本来の柔軟性、とくに部材の動きに対する追従性を失ってしまい、水密性も低下あるいは損なわれてしまいます。

シーリングの打ち替え工事の手順としては、まず左の写真のように既設シーリング材を除去することから始めます。塗装工事や防水においては、塗る技術や経験も重要ですが、それよりも丁寧な下地処理が大変重要となります。下地処理がきちんとなされている工事と、上から塗ってしまえば見えないからと手を抜いた工事では、見た目では大きな違いは現れてきませんが、丁寧な工事では10年以上防水性が保たれるのに対し、手抜き工事では2〜3年で剥がれたり切れたりして雨漏りが発生することも少なくありません。

なお、既設のシーリング材が硬化やひび割れなどを起こしていない時の予防的なシーリング工事では、既設シーリング材を除去せずに上から盛る(打ち増しといいます)場合もあります。こちらの方が手間もかからないため、費用の方は安く済みますが、可能であれば綺麗に除去した方がよいのは言うまでもありません。 既設シーリング材をきれいに除去し終えると、次はバックアップ材の装填に移ります。バックアップ材とは、シーリング材を充填する深さを調節するものであり、三面接着を防ぐ効果もあります。下図では、三面接着を説明しています。

まず、上段左側の図がバックアップ材が入っていない状態であり、右側の図がバックアップ材を充填した状態です。 次に、下段が部材の収縮やムーブメントが発生した場合の状態です。 シーリング材は伸縮性および弾力性の高い素材でできていますが、厚ければ伸縮性は薄れてしまい、部材のムーブメントに対応できずに切れてしまいます。

また、三面接着の場合、部材より躯体への接着が強固になってしまい、シーリング材の伸びしろが損なわれて部材のムーブメントに対応できずに切れたり剥がれやすくなります。

以上のような理由から、シーリング工事では厚さ調節の為のバックアップ材や二面接着を防ぐためのボンドブレーカーの使用が絶対条件となっています。例外的に、コンクリートの継ぎ目など、ほとんど動いたりしない部材(ノンワーキングジョイントといいます)や目地の深さが浅すぎる場合などの場合は、シーリング材への期待効果は伸縮性でなく防水性が優先されますので、三面接着を行う場合もあります。

既設シーリング材の除去を終わらせ、バックアップ材を装填し、錆やホコリの付着が無いことを確認し、さらに被着面が乾燥していることが確認できると、次はプライマーの塗布となります。

プライマーとは、シーリング工事に限らず塗床でも外壁塗装でも、それこそ木工工作でも、塗装をする場合には必要とされることの多い下地調節剤の事です。もちろん、一言にプライマーといっても、用途によって全く異なるのですが、ことシーリング工事においては、主に接着剤としての役割を果たします。他にも、非常に細かい凹凸を平にすることで防水性を向上させたり、接着しづらい部材とシーリング材の間に一層設けることで剥離を防いだりする効果もあり、このプライマーの塗布は絶対に省いてはならない作業です。また、プライマーは「シーリング工事用」のものであっても、被着面の材質や天候、気温、シーリング材の種類など、様々な要因によって使い分ける必要があります。したがって、プライマーやシーリング材の選択には職人の経験が重要になってきます。 写真の都合上、場所が変わってしまいましたが、上の写真が刷毛でプライマーを塗っているところです。左右の紫色の部分は、プライマーやシーリング材が目地以外に付着しないように貼られている養生テープです。

左の写真が、イメージしやすいシーリング材の充填作業です。コーキングガンと呼ばれる器具にシーリング材を入れ、目地を埋めている途中です。この単純な作業にもコーキングガンのノズルの形状や大きさがあっているか、シーリング材が奥まで行き届いているか、きちんと圧はかかっているかなど、経験によって大きな差が生じる作業です。余談ですが、シーリングとコーキングの違いは、明確に定義されているわけではありませんが、コーキングは「充填」でシーリングは「防水」という用途で使い分けられています。充填作業の一種がシーリング材を用いる防水作業ですので、コーキングガンでシーリング材を打つという文章は適切なのです。

最後はヘラ押えです。またしても場所が変わっているのですが、左の写真がその作業です。この作業は、充填したシーリング材を押し込むことで密着性を向上させる目的と、余分なシーリング材を除去する目的と、シーリング材表面をきれいに整える目的があります。 ヘラ押えが終ると、シーリング材が硬化を始める前に養生テープを剥がし、周囲の清掃と確認をし、シーリング工事は完了となります。

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